2008年06月29日

インストールドベース

ネットワーク外部性の働く製品やサービスでは、製品やサービスに対してどの程度のユーザー数を確保できるかが重要な意味を持ち、このユーザー数のことをインストールドベースと言う。

ネットワーク外部性が働く製品やサービスでは、製品自体の機能や品質、価格よりもインストールドベースの方が大きな価値を持つのである。

ただし、インストールベースは、一定のユーザー数を超えるまでは大きな影響力を持たず、クリティカルマスを超えて初めて決定的な影響力を持つのである。
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デファクトスタンダード

デファクトスタンダードとは、国際機関や標準化団体による公的標準ではなく、市場競争の結果として事実上市場の大勢を占めるようになった業界の規格のことである。デファクトスタンダードの例としては、家庭用ビデオにおけるVTRやパソコンのOSにおけるWindowsなどが有名である。ある規格がデファクトスタンダードを獲得する際に、重要になる要素が先に説明したネットワーク外部性とクリティカル・マスの存在である。

今日では、規格競争に敗れた場合のダメージを回避するために、市場での規格競争をせずに、複数の企業が協議を通じて1つの規格を標準する場合もある。

一方で、ISOなどの公的な標準的機関により決定された標準規格をデジュリスタンダード(デジュールスタンダード)と言う。

※デファクト(de facto)とはとはラテン語で「事実上の」の意味で、デジュリ(de jure)とは「法律上の」という意味である。
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2008年06月28日

クリティカル・マス

クリティカル・マスとは、商品が市場に浸透するための一定の需要規模、普及率のことである。

ネットワーク外部性が働く製品・サービスには、クリティカルマスと呼ばれる一定の普及率があると言われている。これは、その市場において多くの消費者が受け入れることができる利用価値が達成される普及率のことで、その普及率が超えると、それまでの累積効果により爆発的な効果が表れたり、一気に普及が加速することがある。

例えば、ソフトバンク社が同社の携帯間通話を時間帯制限はあるものの通話料を無料にしているのは、顧客層の拡大を図ることでクリティカル・マスを達成し、ネットワーク外部性の効果を最大限に活用しようとしているからである。
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2008年06月27日

ネットワーク外部性

ネットワーク外部性とは、電話・FAX・電子メール・掲示板などのネットワーク型サービスにおいて、加入者数の増加に伴い、利用者の便益が増加する現象を言い、“正のフィードバック”が発生することが知られている。

例えば、加入者が1人の電話網は無価値だが、新たに1人が加入すると相互に通話できるという利用価値が発生し、更にもう1人が加入すれば、最初の1人は2人の相手に通話できる状態となり、利用価値が増加する。

ネットワーク外部性は直接的効果と間接的効果の二つの効果があるとされている。

直接的効果は、電話・FAX・電子メール・チャット・掲示板などのコミュニケーション・サービスに典型的に見られる効果であり、共通言語としての英語や、共通通貨としてのユーロも一例である。

間接的効果とは、ある製品のネットワーク規模に応じて、その製品の補完財の量が決定され、その補完財の存在が製品の価値に影響を与える現象である。例えば、PC向けのOSを例に説明すると、M社のOSはA社のOSより普及しているために、M社のOSに対応したソフトウェアが市場に提供されることになる。消費者からすると、多くのソフトウェアに対応するM社のOSを選好することになり、ますますM社のOSが普及することになる。
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2007年11月28日

GEグリッド

1970 年代、多角化戦略において各事業にどのように経営資源を最適に配分するかの意思決定が重要な問題になっていた。
米国の代表的企業である GE(ジェネラル・エレクトリック)も当時そうした問題に直面していた。
そこで、 GE はマッキンゼー(McKinsey & Company)と共同で、多角化戦略における各事業の評価手法としてGE グリッドを考案した。GEグリッドのイメージを以下に示した。
014_GE.gif
GE グリッドは、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)考案のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)モデルの以下に挙げる問題点を解決するために改良されたものである。

PPMモデルの問題点
・モデルを高・低の2種類で区別しているため、中間に位置するものを正確に測定できない
・市場成長率だけでは、市場全体の魅力度を測定できない

GE グリッドは、PPMモデルの「市場成長率」に代えて「事業強度」を「相対的マーケットシェア」に代えて「産業の魅力度」を軸に採用し、各軸で高・中・低の3段階の計9個の戦略事業単位に分け、製品が置かれているポジションを測定した。
さらに、9つの戦略事業単位を、高い全体魅力度(上図ピンク色)・中程度の全体魅力度(上図黄色)・低い全体魅力度(上図水色)の3つの象限に分類し、各戦略事業単位の評価に用いた。

※事業強度とは価格競争力・製品の質・相対的マーケットシェアなど
 産業魅力度とは市場規模・市場成長率・市場競争度合など
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2007年11月14日

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)分析はボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発したツールで、横軸に経験曲線効果に基づく「相対的マーケットシェア」(→CIF:Cash In Flow)を、縦軸に製品ライフサイクル理論に基づく「市場成長率」(→COF:Cash Out Flow)をとる。

この2×2のマトリックスの各セグメントに、各戦略的事業単位(SBU:Strategic Business Unit)を位置付けることで、経営資源の投資戦略などの検討に活用する手法である。

PPMマトリックスは以下の通りである。
006_PPM.gif

PPMマトリックスの各セグメントの特徴を以下に整理した。
@金のなる木
シェアが高く、収益率の高い事業。成長率が低いので過度な投資を控え、収益を他の製品へ回す貴重なキャッシュフロー源となる。

A花形
収益率が高いが、マーケットシェアを維持するために資金はかかるため、キャッシュフロー源にはならない。
シェアが維持できれば、市場成長率の鈍化に連れて「金のなる木」に成長するが、「問題児」に転落する可能性もある。

B問題児
成長率は高いがマーケットシェアが低いため資金の流出が多い。
将来の成長が見込める製品なので「花形」にするための戦略が必要で、資金投入を継続する必要がある。

C負け犬
資金の流出・流入のいずれも少ない。
撤退する事で、すでに投資した資金を回収し、他の事業で有効活用を図る必要がある。

理想的なPPMは 「金のなる木」に大規模なコア・ドメインとなる事業が存在し、「花型」ならびに「問題児」にサブ・ドメインとなる事業が存在する状態で、以下に例を示した。
007_PPM2.gif

理想的なPPMでは、「金のなる木」の余剰キャッシュ・フローをサブ・ドメインに投入して、将来の「金のなる木」になる事業を育成している。
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2007年11月13日

製品ライフサイクル

製品ライフサイクル(PLC)とは製品が市場に導入されてから衰退するまでのライフサイクルを言い、製品によって差異はあるものの概ね以下の図のような変化を辿る。
005_PLC.gif
各4つのフェーズにおいて、売上と利益の観点から説明をする。

@導入期
導入期は、新製品の開発から市場導入初期までの時期を示す。顧客は製品を理解していないため、利点もリスクも判断ず、当然ながら売上は少ない。新製品の広告宣伝費や営業費等のコストがかかり、利益はマイナスとなる。

A成長期
成長期では、製品とその利点を大きく宣伝するので、製品は顧客に認知される。顧客が製品を受け入れるようになるので売上が急増する。
また、競合との競争に広告宣伝費や営業費がかさむが、売上上昇とともに、利益は増加する。

B成熟期
成熟期では、市場が飽和状態となるため、これまで急上昇売上してきた売上が停滞する。また、競合との競争も緩和し、広告宣伝費や営業費が減少し、利益は最大となる。

C衰退期
衰退期では、需要が低下し市場が縮小する。よって、売上高は減少する一方で、固定費は減少しないため、利益は減少する。

※製品ライフサイクルの注意点
成長期を迎えずに市場から撤退する製品や、ロングセラーで衰退期を迎えない製品もあり、必ずしもこのような製品ライフサイクルを取るとは限らない。
posted by omatsu at 19:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 成長戦略

2007年11月12日

経験曲線効果 

経験曲線効果とは、累積生産量が増加するたびに、一定の比率で単位当りのコストが一定の割合で減少する関係を表す経験則である。

イメージ図は以下の通りである。

004_経験曲線効果.gif

経験曲線効果は理論モデルではなく、実データから導き出された経験則であり、1930年代米国において航空機の生産コストを調査する過程で発見されたと言われている。航空機の生産は規模の経済性が強く働くような生産体系をとっていなかったため、時系列的なコスト低減効果を規模の経済性だけで説明できなかったことから、規模の経済性とは区別して、累積生産量と単位当りコストとの関係を経験曲線効果として説明付けた。
提唱者であるBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のブルース・D・ヘンダーソンは経験曲線効果の要因として、学習・習熟・専門化・規模などを挙げ、これら要素が複雑に結合したものとしている。

※規模の経済性:生産規模の拡大で単位当りコストが下がるという法則

経験曲線効果に従うと、累積生産量を拡大すれば、競合企業に対してコスト競争力を維持できることになると結論付けた。

※参考

経験曲線効果によると、競合他社より市場シェアの大きい会社は累積生産量も多く、単位当りコストが低くなり、利益率は高くなる。
このように、BCGは経験曲線効果から、市場シェアと利益率の関係性を示したが、後にこれが発展して市場シェアを資金獲得能力(キャッシュフロー)の指標として使用したPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)が生み出された。


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2007年11月11日

製品市場マトリックス

H.I.アンゾフは、企業の事業領域(ドメイン)について経営戦略上の位置づけを行うために、製品と市場の二軸を設定し、それぞれを既存・新規と分けることにより、四つの象限へと分類をした。
これを、製品−市場マトリックス(アンゾフの成長マトリックス)と言う。

マトリックスは以下の通りになる。

003_製品市場マトリックス.gif

@市場浸透化戦略(製品:既存 市場:既存)
他社との競争に勝つことによって、マーケットシェアを高める戦略である。例えば、マーケティングの要素を有効に活用し、市場シェアを拡大を目指す戦略のことである。

A新市場開拓戦略(製品:既存 市場:新規)
現状の製品を、新しい顧客へと広げることで成長を図る戦略である。例えば、海外進出や女性用製品を男性品にマイナーチェンジして新たな市場獲得を目指す戦略のことである。

B新製品開発戦略(製品:新規 市場:既存)
新しい製品を、現在の顧客へ投入することで成長を図る戦略である。
例えば、既存製品に新機能を追加したり、新機種の開発を行う戦略のことである。

C多角化戦略(製品:新規 市場:新規)
新市場に新製品を投入する戦略で、現在の事業と無関係の新分野に進出を図るもっともリスクが高い戦略である。

最もリスクが高いにも関わらず、企業が多角化戦略を採る主な理由は

・シナジーの追求
 多角化による経営資源の効率化により、シナジー効果を得る事が目的
・事業リスクの分散
 互いに関連性(相関)の薄い複数の事業を保有することで、事業リスクの分散を図る事が目的

*但し、複数の事業ドメインを有した多角化経営企業は個々の事業を別個に営むよりも企業価値が低く評価される事も指摘されており、これをコングロマリットディスカウントと言う。これは、企業が事業リスクを分散するために多角化するコストよりはるかに少ないコストで投資家は事業リスクの分散が可能であるからである。
(金融とITの複合企業に投資するより、金融とIT企業の別々に投資することを投資家は選好する)

また、アンゾフは多角化戦略について、次のようなタイプがあると指摘している。

・水平型多角化戦略
オートバイを生産していたホンダが自動車も生産するように,同じ分野での事業を広げる多角化のこと。

・垂直型多角化戦略
従来は組立産業であった企業が,部品の製造(上流)や販売(下流)に手を広げる多角化のこと。

・集中型多角化戦略
ビールメーカーがバイオ事業に進出するケースやiPodで成功を収めたApple社が音楽配信事業に進出するなど、ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化のこと。

・集成型多角化戦略
電器メーカーであるソニーが銀行業務に進出するなど、従来の事業とは直接には関係のない分野に進出する多角化のこと。
posted by omatsu at 23:29 | Comment(2) | TrackBack(1) | 成長戦略

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