2007年11月11日

製品市場マトリックス

H.I.アンゾフは、企業の事業領域(ドメイン)について経営戦略上の位置づけを行うために、製品と市場の二軸を設定し、それぞれを既存・新規と分けることにより、四つの象限へと分類をした。
これを、製品−市場マトリックス(アンゾフの成長マトリックス)と言う。

マトリックスは以下の通りになる。

003_製品市場マトリックス.gif

@市場浸透化戦略(製品:既存 市場:既存)
他社との競争に勝つことによって、マーケットシェアを高める戦略である。例えば、マーケティングの要素を有効に活用し、市場シェアを拡大を目指す戦略のことである。

A新市場開拓戦略(製品:既存 市場:新規)
現状の製品を、新しい顧客へと広げることで成長を図る戦略である。例えば、海外進出や女性用製品を男性品にマイナーチェンジして新たな市場獲得を目指す戦略のことである。

B新製品開発戦略(製品:新規 市場:既存)
新しい製品を、現在の顧客へ投入することで成長を図る戦略である。
例えば、既存製品に新機能を追加したり、新機種の開発を行う戦略のことである。

C多角化戦略(製品:新規 市場:新規)
新市場に新製品を投入する戦略で、現在の事業と無関係の新分野に進出を図るもっともリスクが高い戦略である。

最もリスクが高いにも関わらず、企業が多角化戦略を採る主な理由は

・シナジーの追求
 多角化による経営資源の効率化により、シナジー効果を得る事が目的
・事業リスクの分散
 互いに関連性(相関)の薄い複数の事業を保有することで、事業リスクの分散を図る事が目的

*但し、複数の事業ドメインを有した多角化経営企業は個々の事業を別個に営むよりも企業価値が低く評価される事も指摘されており、これをコングロマリットディスカウントと言う。これは、企業が事業リスクを分散するために多角化するコストよりはるかに少ないコストで投資家は事業リスクの分散が可能であるからである。
(金融とITの複合企業に投資するより、金融とIT企業の別々に投資することを投資家は選好する)

また、アンゾフは多角化戦略について、次のようなタイプがあると指摘している。

・水平型多角化戦略
オートバイを生産していたホンダが自動車も生産するように,同じ分野での事業を広げる多角化のこと。

・垂直型多角化戦略
従来は組立産業であった企業が,部品の製造(上流)や販売(下流)に手を広げる多角化のこと。

・集中型多角化戦略
ビールメーカーがバイオ事業に進出するケースやiPodで成功を収めたApple社が音楽配信事業に進出するなど、ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化のこと。

・集成型多角化戦略
電器メーカーであるソニーが銀行業務に進出するなど、従来の事業とは直接には関係のない分野に進出する多角化のこと。
posted by omatsu at 23:29 | Comment(2) | TrackBack(1) | 成長戦略
この記事へのコメント
Frameworkを簡潔に理解できるので、大変有用だと思いました。これからもUpdateしていただきたいです。間違いを一つ発見しました。多角化戦略が「新規-新規」ではなく「既存-既存」になっています。
Posted by Makoto Ikeda at 2007年12月24日 13:58
Ikeda様
ご指摘ありがとうございます。
今後も継続的に更新する予定です。
今後とも、是非とも当サイトにご訪問下さい。
Posted by omatsu at 2008年01月03日 12:53
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Excerpt: マーケティングリサーチ(市場調査)とは、「消費者の声を聞くこと」であり、企業活動に関わるすべての関係者に対し、「最も効果的で価値のある企業活動を行っていく」ための課題や改善策を探すための手段全般をいい..
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